事前知識
例1
以下の不等式を解く。
原点からの距離が3以上となる範囲は、 以下もしくは 以上である。
よって、 を満たす の範囲は
となる。
少し面倒だがこの記事では大事な考え方のため、場合分けを使って解いてみる。
を記号を使わずに表すと、
となる。
のとき、 は となる。
のとき、 は となるため、 である。
よって、 を解くと、 または となる。
例2
この不等式について考える。
のとき、 となる。すなわち、 のとき、 となる。
のとき、 となる。すなわち、 のとき、 となる。
このことを踏まえて、不等式 を解いていく。
のとき、 は
今、 の場合を考えているので、このとき を満たす の範囲は
となる。
のとき、 は
の場合を考えているので を満たす の範囲は
となる。
よって、不等式 を満たす の範囲は となる。
これは点3からの距離が2未満の範囲が解であることを示している。
例3
この不等式について考える。
場合分けすべき境目は絶対値記号の中が0のときである。つまり、 と すなわち である。
絶対値記号を外した の左辺の式は の場合と の場合と の場合とでそれぞれ異なる。
( i ) の場合。
, より
今、 の場合を考えていた。 は に含んでいるため、このとき、 を満たす範囲は
となる。
( ii ) の場合。
, より
の場合について考えているが、 との共通部分がないため を満たす の範囲は存在しない。
( iii ) の場合。
, より
は を含んでいるため、このときの の範囲は
となる。
( i ) – (iii) より、不等式 を満たす の範囲は
となる。