事前知識
数列の極限とは
ざっくりいうと数列の極限とは、
数列
というものである。
以下の数列について見てみる。
1 | 2 | 3 | 10 | 100 | 1000 | 1000000 | 10000000000 | … | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 0.5 | 0.333… | 0.1 | 0.01 | 0.001 | 0.000001 | 0.0000000001 | … |
感覚的に

このとき、数列
と書く。
定義
「近づく」を具体的に
上記の例ではかなり曖昧な表現を使ったので、実際どのように定義されるのかを見ていく。
上記では「数列
では、「
下の図のような点Pが原点Oに近づく場合をPの座標を

「点Pが原点Oに近づく」すなわち「点Pと原点Oとの距離が限りなく0に近い」ということである。
これを式で
十分小さい正の実数
と表すことができる。
十分小さいという表現をしたが、「任意の

分かりやすくするため、上記では原点に近づく場合を述べたが、点Aの座標を
任意の
となる。

では、「数列
「
十分小さい正の実数
となる。
定義
任意の
が成り立つとき、数列
と書く。
全称記号を使うと、
となる。
例
を定義に沿って示す。
( i )
任意の自然数
より、
が成り立つ。

( ii )
すなわち、
よって、
を満たす自然数
が成り立つ。

を満たす自然数
(例えば、2.31432 の整数部分は 2)
とすると、
以上より、
任意の
が成り立つため、
となることが示された。